その昔、アメリカの大学で、
新入生のとる講義にためしに出てみたところ、
最初に行なわれたのは「時間管理」という内容だった。
すなわち、これから学生になる諸君は、
自らの時間管理を合理的、かつ効率的に行なえるかどうかが、
4年間の成功・失敗を左右する、というのである。
そこで学生たちは、各々が理想とする週間の時間割りの提出を求められ、
教授からアドバイスをもらう。
私も試しに、学生のような顔をして提出してみたところ、
教授はこれに、いたくおかんむりだった。
私の提出した理想の時間割りにおいては、
毎日、日の出と日の入り前後の時間帯に、それぞれ2時間ほど、
瞑想や呼吸法、祈りなどの念入りな勤行が入っていたのだ。
教授が、
こんなことで一体どうやって学生生活を送っていくのかね、と真顔で言ったので、
もし私が日々、このとおりの時間を送れていたら、
いま頃はもう少し違った人生を歩めていたはずだと言ったところで身分が発覚、
大笑いになった思い出がある。
さて、学生時代も、その頃も、今も変わらないこと。それは……
私の仕事が遅いということと、時間管理が下手ということだ。
今日もセミナーの当日、未明に起き出して準備したりなどしている。
今日の【バガヴァッド・ギーター】の内容たるや、
まさにわれわれが行なう瞑想の原理の核心をつく詩節(第3章33、34節)と、
日常生活の指針となるダルマの本質(35節)が続けざまに登場する。
もっと早くにお知らせしておけば、
これらの詩節から、
計り知れない人生の恩恵を享受する人が現れたに違いないのである。