クサンチッペ
<プレマ倶楽部>の会員さんは、
ほとんどすべての方が瞑想を習い、実践したいという、強くて尊い欲求をお持ちで、
実際にそれを実行に移された皆さんである。
その皆さんは瞑想の実践と同時に、
背景にある哲学を知ることに熱心で、
その水準の高さは私の関係するいかなる団体をも凌駕している。
男性の場合、その哲学的思索の深さと妻の悪妻度の間に、
もしかしたら相関があるのではないかと、
秘かに思っているのは私だけではないだろう。
「ぜひ結婚しなさい。
よい妻を持てば、幸せになれる。
悪い妻を持てば、私のように哲学者になれる」
ソクラテスの、あまりに有名、かつ微妙な発言であるが、
実際、私などがみてみても、“悪妻”を持つ多くの友人たちは、
やはりそれなりに深く人生を省みておられるように見える。
その実例は……
ここでは挙げることができないが……。
クサンチッペがああいうふうでなければ、
当然、ソクラテスの人生も、その哲学も違ったものになっていたはずだ。
それに続くプラトンやアリストテレスの哲学も、
したがって人類の歴史もまた、やはり違ったものになったに違いない。