十字架から降ろされた後のイエスを包んだ布があったことは、
歴史的な事実である。
その布は、復活の日の朝、墓のなかに残されていたのをマグダラのマリアが見た。
イエスの遺体を包んでいた布なのだから、
当然に、それは誰かが保管し、丁重に扱われてきたであろう。
そしてそこには、何かが写っていた。
私が初めてこの布について聞いたのは、中学の頃だった。
「もし、人類の歴史上、ついに救い主が現れたということであれば、
神は、その方の姿を何かの方法で残そうとされなかったでしょうか」
司祭はそう言って説明をしてくれた。
実際、この布に関する状況証拠は、すべて、
これが真にイエスを包んでいたものであろうことを示している。
たとえば、この人には「茨の冠」が被せられていたし、
限度を超えた鞭打ちの痕がある。
また、当時は十字架上で亡くなった人の脚を折る習慣があったが、
兵士は、イエスが亡くなっていたのでそれをせず、
右の脇腹を槍で突いたと聖書は語っているが、
この布の人もまた、まさにそのような状況で埋葬された。
布は、2000年前のユダヤ・パレスチナ地方の織り方であり、
その時代の、その地方の花粉が付着していた。
こうして、神が残そうとされた救い主の姿を……
われわれは10年か20年に一度、
一カ月間だけ拝礼することができる。