第三回 〜パリ・ルルド・ヌヴェール〜 三日目


 午前中、現地のガイドにルルドを案内してもらう。あいにくの雨だが、皆、真剣に耳を傾ける。
 ベルナデッタの家族は極貧の生活をしていて、かつての牢屋の一室に寝起きしていた。聖母出現の後、この家族を経済的に助けようとした人びとがいたが、ベルナデッタはモノもお金も受け取らなかった。
 ベルナデッタの生まれた粉引き小屋や、一家が住んでいた狭い牢の一室で、一同、感慨に浸る。ベルナデッタはその後、読み書きを習うが、直筆の手紙の美しい字に溜め息。ベルナデッタが履いたという木靴の実物に、さわりたくなる。
 午後、いよいよ水浴。この時期の時期、世界中から何万人も巡礼者がいるので、男性は一時間、女性は二時間待ち。しかし中では、ボランティアの人が一人ひとりのために祈りを捧げ、それから水のなかへ。
「ありがたくて、ありがたくて、涙があふれて……」水浴後、何人かの方がこんなことを言った。
「こんなんじゃ、ときどき奇跡が起きるのも無理はない……」これが私の正直な感想。
 夕方は、自由にミサに参加。水を日本に送る手続きをする人も。
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夕刻の大聖堂は
ロウソクの光で埋めつくされる。


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