4月12日(二日目)-6
シンガポールで飛行機を降りると、現地の地上職員が待機してくれていた。
乗り継ぎ便が待っているという。
ほっとする間もなく、最短の時間で乗り継ぎをしなければならない。
こうして駆け込もうとしたとき、
その直前、数人の取り巻きと共に、この便に最後に乗り込んだ白衣の人物がいた。
後ろ姿だけで分かる。
現在、インドで最も多くの弟子を擁する師の一人と言われる、
シュリ・シュリ・ラビシャンカールだった。
この機の行き先であるバンガロールに大きなアシュラムを構えておられるが、
おそらく、シンガポールに“布教”に行かれた帰りであろう。
われわれは、聖者と呼ばれる人を待たせていたのだ。
搭乗してからご挨拶にうかがうと、
なんと師は、ご自分で入国カードのようなものに記入しておられるところだった。
以前、来日されたとき、大使館で歓迎のスピーチをしたことがある。
「太古の昔から、自然界はダルマが廃れるとこれを復興するため、
地上に聖者を送り出してきました……」
そんな話を一人で英語と日本語の両方でしたところ、
インド大使館の職員に受けた。
師はそのときのことを覚えておられたようだった。
今年の巡礼の旅の目的と、
去年の巡礼の旅の様子をお話しすると……
シュリ・シュリ・ラビシャンカールは言った。
「では、この次はわたしのアシュラムにおいでなさい」
お待ちいただいていたシュリ・シュリ・ラビシャンカール師にご挨拶