日本にキリスト教をもたらしたフランシスコ・ザビエルは、
1506年、スペイン・ナバラ地方に生まれた。
われわれが何度も巡礼したルルドからそう遠くないその故郷で、
一昨年には、生誕500年祭が盛大に祝われたことであろう。
ザビエルは貴族の家柄に生まれ、父親は王に仕える宰相だった。
が、ザビエルは聖職者であった叔父の影響を受け、聖職を志す。
19歳で名門パリ大学に進んだ彼は、
後にイエズス会を興すイグナチオ・ロヨラに出会い、大きな影響を受ける。
1534年8月15日、ザビエル、イグナチオら7人は、
パリはモンマルトルの丘で神に生涯を捧げる同志の誓いを立てた。
現在、カトリック世界でもっとも大きな影響力をもつ修道会となった
イエズス会の起こりである。
(かつてパリを巡礼した際、モンマルトルの丘のその場所を、われわれは訪れた)
1537年、ザビエルらは司祭に叙階されたが……
イエズス会は当初から、世界宣教を使命としていた。
ザビエルは、ポルトガル王ジョアン三世の依頼により、
当時ポルトガル領だったインド西海岸のゴアに向かう。
1541年、リスボンを出発した彼らは、
アフリカのモザンビークで秋と冬を過した後、
1542年にゴアに着いた。
現在、インド国内には約4000万人のカトリック教徒がいるが、
その礎がその後の三年間に築かれたことになる。