帰国してまもなく見た記者会見で、
おや、と思うシーンがあった。
野口選手欠場の報とともに、図らずも
5大会連続のメダル(3大会連続金メダル)の期待を背負うことになってしまった、
土佐選手である。
この方、ドイツに住んでいる私の友人に顔がソックリなものだから、
もともとなんとなく親近感を抱いていたのであるが、聞けば、
「(ちゃんと)ゴールします」
みたいな健気(けなげ)なことを言っている。
まるで、ゴールすること自体が目標みたいにも聞こえる。
もちろん、闘志の表現の仕方は選手によって違うのではあるが、
私はこのとき、この選手に結果を期待するのは間違いなのではないか、
もしかして彼女はゴールすらしないのではないかという感にとらわれた。
結果は、25キロで無念の棄権。
外反母趾の持病は日を追うごとに悪化し、
実際には疲労骨折に近い状態であったにもかかわらず、
野口選手の欠場により、強行出場せざるを得なくなってしまったらしい。
棄権するときの泣きじゃくり方も尋常でなく、同情を禁じ得ないが、
類は友を呼ぶというように、悪いときには悪いことが重なるもので、
善も悪も、それぞれ、連鎖しながら自ら増殖していくとう相対界の姿に、
あらためて思い至ったのは私だけか……。
ところで……
マサコサマ、
密教では、万物を構成する地・水・火・風・空の五大を、
欠けるところのない輪にたとえて五輪というのですね。
宮本武蔵の五輪の書とは、
五輪になぞらえて全体を地・水・火・風・空の五部に分け、
兵法の奥義を解いたものとか。
イスカーナヤマトさん、はむたろうさん、
留守中のコメントの数々、ありがとうございました。
ゆっくり拝読させていただきます。