12/ 1(3日目)
前日の閑散とした待合室にすっかり気をよくした私は、
この日、朝、一番風呂ならぬ一番水を目指して水浴場に向った。
首尾よく、ベンチには誰もいない。
時間まで待って中に入ってみると、
なんとすでに、どこかの子供たちが歓声をあげながら水に入っていた。
聖域の職員か、ボランティアの方のお子さまか……。
いずれにしても、こういう機会はもうないかもしれないと思いながら、
私も冷たい冬の水に入る。
バスタブに立ったままお祈りをすると、
足がだんだん痺れてくる。
それほど冷たい水ではあるが、
実は水温自体は年間を通じて一定(約13℃)。
出てくると、足が赤くなっていた。
この日の午後は、前日に引き続き、
希望者の皆さんとご一緒にルルドの村を巡礼。
ホテル、土産物屋ともに、多くが閉まっているが、
しっとりと趣があっていい。
しかしそれにしても、人びとはなぜ、
この静かで美しい季節にルルドに来ないのか……。
もちろん人びとが来ないから、静かなのではあるが……。
旅をふり返って……
水浴前の待ち時間は、実は貴重な祈りの時間で、
公式の説明書にも、
この時間を祈りのうちに過ごしましょうと書いてあります。
その間に、日本で祈ってくださっている皆さん、
特に今回、延期になって来られなかった皆さんのことを、
お一人おひとり思い出しました。
ところで、最初に聖母がご出現になった洞窟には、
マリア様への手紙を入れるPetition Boxと
寄付金を入れるDonation Boxが並んで置いてあります。
この日、日本からお持ちした手紙をすべてPetition Boxに入れ、
前回、サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼からの帰り、
“来年”ルルドに行ったときに寄付してきてと皆さんから託されたユーロも、
少々を足して、Donation Boxに入れてきました。
一人ベンチに坐る先生