歴史に「もし」はあり得ない。
世界の歴史においても、
個人の歴史においても。
しかし、もしあのとき、ということを思いめぐらすのは、
それなりに興味深いことではある。
仮にもし、蒙古が襲来したとき、台風がこなくて日本が負けていたら、
その後長きに渡って、日本は蒙古の属国になっていたかもしれない。
相撲といえばモンゴル相撲のことで、
歴史上、ついに生まれた日本人の横綱がモンゴル的思考に慣れず、
今頃は謹慎させられていたかもしれない。
もし仮に、あの夜、たまたま信長が本能寺にいなくて、
明智光秀が謀叛に失敗していたら、
織田家が幕府を開いて、今とはまったく違った日本ができていたかもしれない。
もし仮に、日本が戦争に勝つということが起きていたら、
終戦後は1円=30ドル、
今は1円=90ドルなどといった相場になっていたかもしれないし、
ふたたび別の戦争をしてさらに悲惨なことになっていたかもしれない。
自然界はそのようなことは許さず、
適切なところですべてのバランスをとっているはずだが、それにしても……
ユーロがもう少し安ければと思わないでもない、
今日この頃である。