為替5


日銀が金融緩和を続けるなか、
1986年、1ドル=152円をつける。
約4割も急激に円の価値が上がったわけで、
こうして何が起きたかというと、
個人のレベルでは海外旅行ブーム、
企業のレベルでは“米国買い”であった。
アメリカの象徴ともいえるニューヨークの高層ビルや、
映画産業を日本企業が次々と買収したため、
このままアメリカ自体を日本が買うのではないかとまで、
当時は恐れられたのだった。
だが、1990年、バブルが崩壊、
株価も地価も急激な下落に転ずる。
バブル経済が崩壊して、日本企業は、
今度は買い漁ってきたアメリカの資産を手放していかざるを得なくなっていった。
だが、このとき潔く手放した企業はまだよかったのである。
1995年の春、突然始まった円高は、
あれよあれよという間に1ドル=79円75銭(!)をつけるに至った。
安い、安いと思ってアメリカの資産を買い漁った日本企業は……


これがさらに円換算で半値になっていくのを見なければならなかったのである。


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