セミナーや旅行のときに、
ときどき申し上げていることですが、
「無原罪の御宿り」は、
マリア様が聖霊によってイエス様を身籠もられたこととは別のことです。
前者は『無原罪懐胎』、後者は『処女懐胎』と呼ばれます。
興味深いことに、著名なカトリック作家の方なども、
この二つを混同されていたりします。
あるときローマでお願いしたガイドさんは、
私の知らない、
ガイドブックにも出ていない聖地をさまざま、案内してくださいましたが、
そんな有能な方も、この二つをすっかり混同しておられました。
前者は、マリア様がお母様である聖アンナの胎に入られたとき、
原罪を免れていたという教義で、
1854年に発布されました。
後者は、マリア様が通常の過程を経ることなく、
聖霊によってイエス様を身籠もられたという教義で、
初代教会の頃から事実として伝承されてきましたが、
649年、あらためてカトリック教会が教義として発布しました。
そのときには、単にイエス様を聖霊によって身籠もったというだけでなく……
その後も終生、マリア様は処女であられたという教義が付け加えられました。
前者は聖書に書かれているものの、
後者は、聖書には書かれていないことですので、
プロテスタントの皆さんから攻撃される要因となっています。