新書1


『この年の5月15日を過ぎた頃、
 次の本を書くことになるだろう……』
聖者によるこの予言を、私は以前から知っていて、
困惑していた。
いったい何についての本を書くことになるのか、
自分でも分からなかったのである。
いくつかの可能性が考えられたが、一番書きたかったのは……


『最後の奇跡』に続く小説だった。
ところが、聖者による次の言葉が、
私をさらに困惑させていた。
『その本では、絵(または写真)を使うとよい……』
およそ、小説で絵や写真を使うことはほとんどない。
ちなみに『最後の奇跡』では、絵は一枚も使わなかった。
なので、小説で絵を使うことになるとは一体どうしたことかと、
私は考えていたのである。
そうして、問題の5月15日を迎えることとなった。


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