大晦日


気の置けない友人たちと久しぶりに会うのに、思い切り遅刻をした。
“気の置けない”人びとだけあって、当然、思い切り非難されたが、心のなかでは分かってくれていて、話ははずんだ。昔の学校のこと、友人たちのこと、それぞれの現状、未来への展望……。
遅くまで話し、歌ったりもすると、精神が昂ぶるのかよくは眠れなかった。おかげで朝早く目覚め、今年最後の日の出を見る。東京の町並み越しであれ、昇る朝日を見ると、大自然の壮大さが感じられ、涙が出そうになる。そうしてなんとか一日仕事をし、あと数時間で一年が終わろうとするとき、おもむろに、この年、自分は本当にちゃんと生きたのかという想いがやってくる。
一年間、苦しいことや悲しいことがたくさんあった。それらのすべてが終わったわけではない。カルマやダルマのせいなのか、それとも運命なのか……そんなことは分からないが、いずれにしても、私はベストを尽くしてきたといえるのか……。
去年の今日、エッセー欄で、一年のうちこの日が一番好きだと書いたが、しかし大晦日は、同時にそんなことが問われる日でもある。そうして、よいことも悪いことも、幸運も不幸も、カルマもダルマも、すべてをひっくるめて乗り越えさせてくださいと、祈るしかなくなる。


カテゴリー: 人生 パーマリンク

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