第三回 〜パリ・ルルド・ヌヴェール〜 六日目


 当初、ダメといい続けた鬼の下江も、ついにKさんの熱意に折れ、ルルド行きの時刻表を繰ることに。しかし翌日には、日本に向けて発って行かねばならない。
「今日中に帰ってくること」それが添乗員としての彼の条件だった。ということは、ルルドにいられるのはわずか二時間。それでもKさん、嬉々として旅立っていく。
 そんなこととはつゆ知らず、一行はベルサイユ宮殿に。贅の限りを尽くした宮殿には、それなりに感動。しかし、今日ルルドに行った人がいると分かって、みな
  「ええーっ!わたしも行きたかった!」。
 それでも、パリの夜はリドのショーで堪能した。人間性の広がりと深みか。
 一方、一人で往復12時間の旅をしてきたKさんは、
「よかった。本当に、この旅にきてよかった」

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ベルサイユ宮殿・鏡の間


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