かつて、椎名素夫という政治家がいた。
内閣官房長官(岸内閣)、通産大臣、外務大臣(それぞれ二期)、
自民党総務会長、政調会長、副総裁を歴任し、なんといっても田中角栄の首相退陣の際、
いわゆる青天の霹靂「椎名裁定」により三木首相を生んだ椎名悦三郎の次男である。
戦前から戦後、高度経済成長時に日本を支えたといってよい父親の活躍を考えると、
息子である素夫は、ありあまる才能を持ちながら“欲”がなかった。
いくら欲がなかったとはいえ、政治家として何もしなかったわけではない。
アーミテージ元国務副長官やブラッドレー元上院議員ら、
アメリカの政界に知人が多い知米派・国際派として知られ、
中曽根内閣時代にはレーガン大統領との所謂「ロン・ヤス会談」の
お膳立てをしたといわれる。
通常であれば、その論功行賞として、何らかの表舞台に立ったはずだが、
彼は一度も入閣することなく、
したがって自らの政治理念・哲学を積極的に実現する場をもつこともなく、
2007年に76歳の若さで亡くなっている。
かつて、元駐タイ大使であった岡崎久彦先生に瞑想をお教えした際……
私はその“特権”を使って、
かねてより興味のあった「椎名素夫」について聞いてみたことがある。
椎名と旧制高校時代の学友であった大使は、
「あれは本当に欲のない男でした。いつも淡々、飄々としている。
伝えられているとおりですよ」と言われた。
「そういう私心のない人こそ、
その政治理念・政治哲学を実現する場を与えられるべきではなかったでしょうか」
そのような意味のことを言うと,
それに対して大使は、うなずかれはしたが、しかし明確な答えをされず、
微妙な笑みを返されたのだった。
ブログ再開とても嬉しいです(^ν^)!
青山先生が政治家になったらいいのになぁと
夢見てます…(>_<)
幼子二児の母より♡☆〜(ゝ。∂)