先輩 3


そんなことを思いながら、10月29日、友人の結婚披露宴に行った。
彼ははっきり言って、これまでも、そしてこれからも日本の経済を背負って立つ人材だ。その披露宴に集まってくる人びともまた、日本の政治・経済・文化を担う人びとであることが予想され、出かける前には少し気が重かった。第一、こんなとき、御祝儀にいくらくらい包むのが“正しい”のかからして、私には見当がつかない。
予感はさらに悪いほうに当たり、着いた席は新郎の真ん前、テーブル向いには大企業の会長とか社長、CEOとかCOOとか、誰がどう偉いんだかよく分からない人びとが大集合していた。そのうちのおひと方はまだ若くて無精髭を生やし、なんと開襟シャツで来ておられたので、私はさらに度肝を抜かれた。


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