北国 4


結局のところ、外側に出てくるのは、常に内側の何かなのだと、いつも思う。
お寺の立派な建物からして、それは先代の尼僧様や今の尼僧様の、衆生に対するお心が顕れ出たものだ。それを助けたいと思う信徒の皆さんの気持ち、そして人びとのダルマを完成させていこうとする御仏らの意志が、外に表現されたものだ。
外に顕れたもので、内側になかったものは一つもない。それはモノであれ、出来事であれ、同じだ。
御仏の世界とは一見異なるが、瞑想講座の三日目、横浜アリーナではK-1・HERO’Sの初代ライトヘビー級王者を決める戦いが行なわれていた。準々決勝を勝った大山峻護君は、この日、準決勝であの野獣のようなメルヴィン・マヌーフと戦う。
この戦いで、彼が力を出し切ることができるよう、先日の【マリアの会】では寄せ書きが贈られ、私は北の国から祈った。
今回、惜しくも敗れたものの、しかし戦い自体に顕れたのは、彼の長年にわたる修練や勇気だ。もともと、そのような戦いの場に立てること自体がそうなのだ。
人生は、勝つほうがいい。しかし、ときには負けることがある。いずれにしても、内側のものが外側に表現されつつ、われわれは少しずつ浄化され、進化していく。


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