ハワイ王室霊廟5


王室霊廟には、もう一カ所、祭壇がある。
特別な礼拝や儀式が行なわれるときのみ開けられるという場所である。
私たちは、その場所にも入れていただけることになった。
中は、ハワイのコアの木で造られた礼拝椅子と机、
ハワイ風のステンドグラスと、王族が使用していたという鳥の羽根でできた飾り物等々、
いたるところからハワイの息吹が感じられる。

「この霊廟には、ハワイ王家の者のみが埋葬されますが、
 しかし、そのなかには何名かの外国人も含まれています」
ビル・マイオホさんがそう解説された。
すなわち、ハワイ王家には、その歴史のなかで、何人かの外国人が入ったのである。
なかでももっとも有名なのは、バーニス・パウアヒ王女と結婚したアメリカ人
チャールズ・リード・ビショップだ。

カメハメハ5世からの求婚を断り続けたバーニス王女は、
王家内における近親結婚を嫌い、一人のアメリカ人男性と結婚した。
その後、王家内における相続により、彼女はなんと、
ハワイ諸島全体の富の約1割を所有するほどになってしまう。
美しく、聡明な女性であった彼女はまた、
多くの人びとから女王の座に就くことを切望されたが、
それも固辞し続けた。
王女の死後……

巨大な遺産を相続したのは、アメリカ人であるビショップ氏だった。
彼はしかし、これに奢ることなく、
学校や博物館を建設するなど、ハワイへの貢献を続け、
自らはサンフランシスコに隠遁、静かな余生を送った。
そうして、亡くなった後は、王室の一員として、
この霊廟に葬られたのであった。

第24回『大いなる生命と心のたび』 — ハワイ太古の聖地巡礼・オアフ島 —
Prema Photo Album


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ハワイ王室霊廟5 への1件のフィードバック

  1. イスカーナヤマト のコメント:

    ハワイの別の一面を見た思いが致します。

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