人類の歴史上、世界中のほとんどの民族に王家が起こり、
王たちが民を統治してきた。
もともと人間は平等なはずであるが、しかしこの事実をみるに、
やはり同じ時代、同じ地域に生まれ合わせても、指導的立場に立つ人と、
彼らによる統治や指導のもと、その恩恵を享受する人の両方がいるらしい。
どちらがよいとか、尊いとかいうわけではない。
会社に社長がいて、専務や常務、部長や課長がいるように、
人にはそれぞれの役割があるということだ。
ハワイにおいて、カメハメハ一世がこれを統一したのは1810年、
比較的近代のことである。
以来、この島々はカメハメハ王朝により統治され、
神々への礼拝が執り行なわれてきた。
そして、歴代の王たちのほとんどが、
ここMauna ‘Ala(Royal Mausoleum:王室霊廟)に眠っている。
アメリカ合衆国の一つの州となった今も……
この場所はハワイ州・州旗のみの掲揚が許可され、
王家の者のみが埋葬される場所としてその尊崇を保ってきた。
ハワイ巡礼にあたって、われわれが最初に参拝に訪れるべきなのが、
この王室霊廟なのであった。
第24回『大いなる生命と心のたび』 — ハワイ太古の聖地巡礼・オアフ島 —
Prema Photo Album
ああ、ハワイ、ああハワイ・・・・・・・
昨年末から年始にかけて、ハワイを親子三世代で観光する機会があった。
そのとき、ハワイの歴史について簡単にツアーガイドさんから説明があり、アメリカという国がいかにしてハワイを手に入れたのかを知って胸が痛んだ。
その後、日本軍の真珠湾攻撃で幼い子供たちまでも犠牲になっていたことを知って再び胸が痛んだ。
しかし、目で見るハワイの光景は、そんな歴史を全く感じさせることなく、何処も陽気で世界中のセレブが集うリゾートそのものだった。
そのように、現在横たわる世界中の悲惨の数々も、いつか歴史に埋もれてしまう日が来るのかもしれない。
そうして最後に残るのが平和であることを祈らずにはいられない。