自然 2


暑い夏が終わりをつげ、秋が近づいてくると、風雅な虫の音の季節となる。
先日、ふと、その虫の音があまりに近いことに気づいた。よく観察してみると、小さなコオロギが台所にいるではないか。マンションの6階なのに、いったいどこから入ってきたのか……。今度のお隣さんは、コオロギの養殖でもしているのか……。今もって分からない。
そんな夜を幾晩か過ごすうち、今度は昼間、どうにも鳩の鳴き声が近すぎると感じられてきた。ベランダに出てみると、なんとエアコンの室外機の下に、鳥の巣がある。鳩が住み着いていたのだ。
掃除にきてくれる女性が、「これ、どうしましょう」と困惑ぎみに言う。
「住んでもらいましょう」そう言って、鳩にも住んでもらうことになった。
家賃はとらないことにした。


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