第五回 〜トゥルーズ・ルルド・パリ・ヌヴェール〜 三日目


 この日は三班に分かれ、時間差でルルドの歴史的な場所を回る。天気が悪かったらどうしようと思っていると、朝まで降っていた雨は急速に上がった。そのときまで何か言いたそうにしていた下江さん、真っ青な空が現れるや突然、「ハーレルヤ!」。大いにウケる。
 最初に向かったのは、ご出現当時、ベルナデッタの一家が住んでいた“カショー”。日も当たらず、五人で住むにはあまりに狭いこの元牢屋は、牢屋としてすら使われなくなったものだという。
 脇には、子供のころ彼女が祈っていたマリア像や、使っていた生活用品が展示されていた。ベルナデッタの木靴もあったが、これを履くと想像しただけで、足が痛む。当時、革靴は金持ちだけが使っていたらしい。
 午前中、二班にルルドを説明して回った私は、すっかりガイドさん気分となる。次回からはもう、現地のガイドさんなしで、すべて説明できそう。
 午後の班は、すでにルルドの聖地は回ったということで、お城に登る。かつてイスラム教徒がたて籠もり、開城を迫るカトリック軍のカール大帝に抵抗を続けた。が、ついにイスラムの王様は、大帝ではなく聖母に降伏するという条件を呑んで投降。以後、この地の領主は代々、聖母のしもべを自認してきた。そうして千年後、聖母が実際にこの地に現れる。その城からは、ルルドの地とピレネー山嶺を一望にすることができる。
 夕食を思い思いに楽しんだ後、夜はロウソク行列に加わる。天気もよく、大変な数の人出だ。世界中から来た人々の祈りが、一つになる。
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朝のルルド・大バジリカ
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夕刻・ロウソク行列の人びと
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城から見た大聖堂


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