勝負 6


月に一度、<プレマ・セミナー>で東洋の聖書『バガヴァッド・ギーター』を解説しているが、ちょうど今読んでいるところに次のような箇所がある。
 喜びと苦しみ、利益と損失、勝利と敗北
 それらのなかにも心の平安を保ち、戦いに臨むのだ
 そうすれば、おまえが罪を犯すことはない(Ⅱ・38)
相対界に生きるわれわれには、避け難く、勝利と敗北の両方がやってくる。そのどちらが来ても、それらのなかに心の平安を保ち、戦いに臨めというのである。
K1のような戦いでなくとも、人生はやはり、いつも戦いなのである。そこにおいては、もちろん勝ったほうがよい。誰も負けたくはない。しかし現実には、勝負は時の運。両方がやってくる。
いまだかつて、負けなかった格闘家はいないし、損をしなかった企業家もいない。苦しまなかった人間もいない。聖者ですら苦しむのだ。われわれはその両方がある相対界に生きているからである。
だが、ものごとの本質は、表面に現れてくる喜びや苦しみ、利益や損失、勝利や敗北とは別のレベルにある。


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