秋田の聖母は、Our Lady of Lourdes(ルルドの聖母), Our Lady of Medjugorje(メジュゴリエの聖母)などと並び、Our Lady of Akita として世界中のキリスト教徒に知られている。
ルルドやファティマ、メジュゴリエのような聖地で知り合った人たちに、日本的な木彫りのマリア像から涙が流れる写真を贈ると、例外なく喜ばれる。おそらく海外で、「アキタ」は日本におけるよりも知られている。
涙は、75年1月から81年9月まで、断続的に流れ続けた。その度に修道女や司祭、司教らが目撃し、巡礼団や雑誌、テレビ局の取材班もこれに立ち会った。
血液と涙は採取され、秋田大学医学部生化学教室、および岐阜大学医学部法医学教室で鑑定が行なわれた。
私は、すでに岐阜大学を退官された勾坂馨(さぎさか・かおる)教授にお話をうかがったことがある。
秋田の聖母像から流れた液体が、ヒト体液であることは間違いない。その血液型も、たしかに自分が分析したと元教授は話された。
そこまでは保証できるが、それより先、つまりなぜ木彫りの像から涙や血液が流れるのかの部分は、まったく自分には解釈できない、というのが元教授の見解だった。
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庭園内の紫陽花