拘置所に入る護送車を見ていて、本人はともかく、この映像を見ている親御さんはどんな気持ちであろうかと、私は思った。今まで自慢の息子だったものが、一転、推定犯罪者として満天下に名を晒しているのである。
「名誉」というものをどう考えるかは、なかなかに簡単ではない。「何よりも名誉を重んずる」という考え方は、大和民族の長年培ってきた美徳とされるが、「地位も名誉もいらない、私はただ、清く生きたい」と言ったとき、それもまた美しい。
しかしおそらく、この二つは必ずしも矛盾しないのである。前者で重んじている「名誉」は、人間としての真の名誉のことであるに違いない。
また、後者で否定される「名誉」は、おおむね世俗的な地位のようなものを言っている。だから本当は、ただ清く生きているような人にこそ、人間としての真の名誉がある。
東洋の聖書『バガヴァッド・ギーター』のなかで、尊主クリシュナが「名誉」について深く語る場面が第二章にあり、ちょうど今度の日曜日の<プレマ・セミナー>で登場する。神の言葉を容易に理解することはできないが、神の視点から見た「名誉」を、可能なかぎり分かりやすく解説したい。
青山圭秀
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