津波 4


神戸の震災のとき、焚き出しに出かけたときのことを思い出した。あのとき、日本人が学んだのは、いざというときには何とか助け合えるということだった。
しかし今考えてみれば、そんなことを言っていられたのも、実は基本的に、ほとんどすべての国民が衣食足りている、という状態があったればこそである。
住民の多くが衣食に不自由しているところでは、教科書のようにはいかない。復興のスピードも、日本のようなわけにいかない。そういうごく当たり前の、しかし日本でテレビを見ていただけでは分からない現実を、現地ではいやでも見ることになる。
そのようななかで、何をするのが最も有効なのか。お金やモノを渡すよりは、彼らが仕事ができるように援助するのが本筋であるとは、いつも思う。応援しているカンボジアの自立村は、その典型だ。
ちなみに、2004年12月24日付け『聖夜2』に書いたカンボジアの井戸(プレマの泉)は、その後も掘り続けている。最近、No. 9までできたが、水質検査を行なったところ、No. 8にやや問題があったため、現在これを掘り直している。
こうしたところでは、掘られた井戸の水質に問題があるにも関わらず、その水が飲まれ続けるということがしばしばあり、問題は深刻だ。
たとえばバングラデシュでは、NGOによって掘られた井戸水に広範に砒素が混入していて、住民は長い間気づかなかった。気づいた後も、井戸水を飲んで砒素中毒になるか、泥水を飲んで赤痢になるか、という選択を迫られた。
そのような事態を、われわれは避けたい。
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復旧を待つ港
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プレマの泉 No.4
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プレマの泉 No5
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プレマの泉 No.6
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プレマの泉 No7
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プレマの泉 No.9


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