北フランスの裕福な家庭に生まれたテレジアは、幼いときから特別な霊性を示し、戒律の厳しいカルメル修道会に十五歳で入会を許された。彼女はそこで結核を病み、24歳で亡くなるが、死後出版された自叙伝は瞬く間にヨーロッパ中の人びとを虜にする。
この一世紀、世界でもっとも愛された聖女テレジアに、私もまた、中学・高校時代、心寄せて過ごした。フランス旅行6回目にして初めて訪れたリジューの修道院、聖女の実家、そして記念聖堂は、あまりに深い印象を心に刻み、語り尽くすことができない。
『イエスよ あなたのなかに 私は美しい大自然を持っている
虹も 真っ白な雪も はるかな島々も たわわな収穫も
蝶たちも 華やかな春も 畑も
私はすべてを持っている』
──幼いイエスの聖テレジア──
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聖女テレジア