午前9時、冠の聖母像の前で立ったままインタビュー。なぜ人はルルドに魅せられるのか、ルルドに来て仏教徒の皆さんはどんなことを感じて帰るのか、そもそもなぜ、聖母出現にまつわる本を書いたのか……。
1945年、アムステルダムにご出現になった聖母は、自らを『すべての民の母』と名乗っている。もしかりにそうなのだとしたら、ルルドの聖母がどんな国の、どんな信仰を持った人を惹きつけてもおかしくはない。実際、水浴場に並ぶと、インド人ぽい人やアラブ系の人とかを容易に見かける。私にはマリアが、キリストや、キリスト教徒だけの母だとは思えないのだ。
その聖母は、あるとき、自分に対する呼びかけの言葉として次のような祈りの文言を教えている。『かつてマリアであられた、すべての民の御母が……』
彼女は、かつてマリアであったかもしれない。だが、別のときには別の姿で現れたかもしれない。あのような方の真実を、われわれの意識レベルでどうして理解しきることができよう。もちろん、ルルド・マガジンの編集者にそこまでは言わなかったが……。
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トゥールーズの
空港で