佐藤氏は、その後、自らの理想を追求して王道空手を創始するのであるが、いつも心の中にあったのは、『武士道』というものであった。あるいは『サムライの心』といってもいい。
日本人のなかに脈々と流れるこの血は、しかし、他者を傷つけようというものではない。むしろその逆で、自己を克服しつつ、より大きな義を求め、同時に全体の調和を計るのが武士道である。したがって、佐藤氏にとっての武道とは王道であり、正道と呼ぶこともできる。常に公明正大であれ、恥を知れ、夢を持て、礼儀を正せ……塾生は、空手が強くなること以前に、そんなことをたたき込まれる。
その理念のもと、氏が新たに主宰した全日本空手道選手権大会は、今年で19回目を迎えた。
子供たちによる試割り