灰色の世界


 先週初、口のなかにぽつりとできた白い点。気づいたときには、もう食事に支障をきたす状態になっていました。口内炎には、多分、ケナログが一番効きます。でも、すぐには治らない。約一週間というもの、食べ物が当たっても、歯が触れただけでもしみ、涙が出るような状態でした。
 こうしてときどき分かることは、やはり、何と言おうがわれわれは肉体のなかに生きているということです。どんなに「肉体が人間なのではない」などと頭では思っていても、直径1ミリの口内炎ですっかり意気消沈し、睡眠不足のときには世界が灰色に見える……。きわめて情けないですが、とりあえず、それが現状という感じです。


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