月の魔力 4


 統計的なデータがあっても、そのメカニズムとなるとほとんど何も分かっていないと言ってよい。まして、占星学者たちがいうように、太陽や月よりはるかに遠くにある惑星が人体に影響を及ぼしているといわれても、その根拠は分からない。ただ、「根拠は分からないが、そういうことが事実としてある」ということが、世の中にはある。占星学は、おそらくその部類に属することであろう。
 そうでなくとも、もともとこの世界は不可分の一体なのだ。なにが、いつ、どのようにして自分に影響を及ぼしているかなど、いったい誰に分かろう。知らず知らずの間に、もしかしてわれわれは、自分が過去に行なったことの影響や、未知の力による影響を受けいるのかもしれない。
 敏感な人は、そうした影響力により、今日はどうも体調がおかしいとか、心の状態が変だと感じ取るのかもしれない。実際、以前にアーユルヴェーダを教えていた学生さんのなかに、「満月の日には体が潤う」と言った人がいた。その感覚は、アーユルヴェーダやインド占星学の理論に符合する。ちなみに、その人も女性であった。


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