宇宙 2


  火星と地球とは、公転の周期も違えば、その形も、公転面も違う。二つの惑星は、おおよそ15年、ないし17年に一度接近するのであるが、より近い接近が79年に一度起こる。ならば、この前のような接近を、運が良ければ今の子供たちはもう一度見ることができるかと思ったら、それは大きな間違いらしい。実は今回、2003年の8月28日に起きた接近は、史上稀なる“大接近”で、実に5万7000年に一度。この前、火星をこれほど近くで見たのは、現代人ではなく、ネアンデルタール人であったのかもしれないのだ。
 悠久の宇宙の、こうした営みを思うとき、ぼくは宇宙全体のなかの人間の位置に思いを馳せずにはいられなくなる。


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