そのうちに、キリストは他の弟子に裏切られ、十字架に架けられて死ぬのであるが、律儀な弟子は、キリストの言いつけを守り続ける。2年、3年と続け、10年で3億1104万もの恒星を数えた。一秒も休まず続けた弟子は、そのうち自分に肉体が残っていないことに気づくが、彼はなおも数え続ける。師の言いつけは絶対だ。
こうして現在まで2000年、彼は星を数え続けている。……が、まだ全体の3分の2ほどを数えたに過ぎない。この調子で1000億個の恒星を数え切るには、これからまだ1000年ほどかかるのだ。
このように巨大な数の太陽を含む銀河系であるが、実に、宇宙にはこうした銀河系が、やはり1000億ほどもあるという。それだけの数の銀河が、それだけの数の太陽と惑星が、一糸乱れず、単一の物理法則にしたがって運行している。そうしてそのなかの惑星の少なくとも一つでは生命が育まれ、互いに憎みあったり、愛し合ったりしている……。
ところが、東洋哲学は、そして東洋医学は、さらに神秘なことを言う。われわれは小宇宙であると。われわれの体も、心も、それぞれが宇宙一個分に匹敵するものなのだと。
青山圭秀
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