妃殿下 7


 ミーティングが終わった後、ひろしま平和貢献構想を立ち上げたという、県の総務企画部・国際企画室長という方が歩み寄ってこられた。「Nと申します」というこの方は、続けてこう言った。
「先生のことは、(ポカラの会の)倉光先生から、いつもうかがっています」
 なんとこのNさん、ぼくの卒業した広島学院の先輩だという。当然、大木神父からも直接の薫陶を受けた。ぼくは十六期だが、彼は八期生である。
「この方は、私の高校の八年先輩に当たります」
 そう言って紹介すると、妃殿下は大いに驚いたそぶりを見せた。そうして、Nさんとぼくとでは、親子ほども年の開きがあるように見えたのだと、後で内緒でささやかれたのだった。


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