妃殿下 3


 実際、東洋の文化は、あまりに共通点が多い。
「われわれ日本人は、どんなものにも、たとえば木や森や、山や川や、星や空間にすら、意識が宿っていると素朴に信じています」
 そう言うと、妃殿下は、「それは私たちもまったく同じように感じます」と言われた。「そのなかで、私たちは生かされているのです」と。
 彼女はまた、傍らにいた王女を自分が妊娠する前、神々がそのことを教えてくれたという話をしてくれた。
「この子を身籠る前、四人の神々を夢に見ました。そのうちのお一人が口を開いて、私が女の子を身籠ると言われるのです。周囲は全員、男の子を望んでいました。王家付きの占星家らも、私が男の子を身籠ると予言しました。でも、私だけが知っていました。生まれてくる子は女の子だと」
 なんとこの神が、彼女に、生まれてくる子の名前まで授けてくれたのだというのである。そうして実に、二人目の子供のときも同じようなことがあって、実際に女の子が生まれた。


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