「ローマ法王ヨハネ・パウロ二世は、ご健康状態がすぐれぬため、今年は例年よりも早く避暑地カステル・ガンドルフォに行かれます。従いまして、ヴァチカンでの謁見は中止……」
日本を発つ少し前、そんな報せが届いた。法王のご健康ではやむを得ない……。そう、なんとか自分に言い聞かせようとしていた。……が、参加者の誰かが、祈りを捧げたのに違いない。あるいは、全員が祈ったのか。法王は、移動先のカステル・ガンドルフォで謁見を行なわれるという報せが届いたのだった。
当日、世界中からの巡礼者のバスが現地を目指す。果して、狭いお城の庭に入りきれるのか……祈りながら順番を待つが、後になって、実際に入り切れない巡礼者もいたことが分かる。
午前10時、人びとのどよめきと共に、予定よりも早く法王がお出ましになった。世界中からの巡礼団に一つひとつ呼びかけ、祝福される。ちょうど、法王の玉座のあたりに朝日が差し込み、美しい。
立ったままの謁見。だが、体のご不自由な法王による、祝福の波動は充分すぎるほど届いた。その後、事務局に行き、今回、旅行に参加できなかったKさんから預った贈物を法王宛てに託す。日本の聖地の石に彫った十字架が、少しでも法王の体調を改善してくれることを願いながら。
午後はサン・ピエトロ大聖堂を巡礼。大聖堂のなかもさることながら、法王選出選挙が行なわれる、そしてミケランジェロの壁画『最後の審判』で有名なシスティナ礼拝堂はさすがに圧巻。
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2001年の巡礼でくぐった聖なる扉
(第4回 大いなる生命とこころのたび)