第八回 〜聖母マリアの泉(A.Cコース)〜 七日目


 ルルドで聖母と話したベルナデッタは、その後、ヌヴェールの小さな修道院に入り、34年の生涯を閉じた。遺体は、三十数年を経ても腐敗せず、現在も巡礼者に心の平安を与え続ける。
 今回、修道院のなかを案内してくださったシスター川田は、修道生活40年を越えるベテラン。その語り口は、落ち着きと慈愛に満ちている。こういう方がいるから、ツアー後、洗礼を受けたいと言い出す人が次々現れるのだ。
 だが、この日は一つの哀しい日。Aコースの方がパリを発って日本に向かわれる日だ。なかには、なんとかCコースに変更できないかと相談する方もおられたが、残念ながらそれができない。Cコースのわれわれは、ああよかった、まだ半分……と、密かに思う。
 でも、パリの空港でAコースの皆さんを見送ると、思わずもらい泣きしそうになる。
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030711

エッフェル塔・午前0時


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