ヒンドゥの巨人 3


 昨年は、日・印国交樹立50周年。話は自然に日・印の文化論で盛り上がった。
 日本とインドは生活様式も国民性も、宗教に対する考え方も大変異なる。しかし、その底流に流れるものには同質のものを感じるなどと、僕はいっぱしのことを言った。
「たとえば昔、あるインドの聖者が来日したとき、日本の神社にお参りしてこう言いました。
 Shinto is Veda, Veda is Shinto….」
 日本文化の元にある神道と、インド文化の精髄ヴェーダとは同じだ。それぞれの民族は同一の真理を感得し、それをさまざまな形で表現したのに違いない。
 食後のスピーチで、アショク・シンガル師がこれを引用して言われた。
「かように、われわれの文化は同根であり、私は世界のどこに行ったときよりも日本において安らぎを感じる。この国の文化と国民に幸あれ……」
 そうして、後で言われた。
「ところで、ちょうどこれからインドでいろんな祭礼があるんですが……」


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