利家とまつ 3


 今年もはや師走。また一つ、大河ドラマが終わる。しかし、『利家とまつ』は見ていない。最初、数回見たが、そういえば関が原がやって来る、と感じたところでやめた。
 この番組の音楽を担当したのは渡辺俊幸さん。さだまさしさんの編曲や、コンサートのときには指揮もする。
 今年の年賀状を整理していたら、渡辺さんのものには、「これから一年、『利家とまつ』の音楽を担当します」と書かれている。普通のドラマは、できあいの数曲を交互に流すだけだが、大河の場合は毎回、映像に合わせて作曲するらしい。
「作品に与える影響が直接的であるだけに、とてもやりがいがあります。お時間のあるときには、音楽のほうにも耳を傾けながら、是非ともご覧ください……」
 いつも誠実な、渡辺さんらしい文面だ。つい先日も、大河の作曲ももうすぐ終わりますというメールが入っていた。
 渡辺さん、一年間、ご苦労様でした。そしてごめんなさい、ドラマ、見ませんでした……。


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