利家とまつ 2


 柳生宗矩の言葉を聞いて、僕はむしょうに腹が立った。家康は主君秀頼を裏切り、あんな汚い戦いをしたくせに、何が「救われた」だ……。
 その後、中学の寮に入ってしまったので大河鑑賞は中断され、寮から脱出した後も現代モノになってしまった時期はまったく見なかったが、『草燃える』、『独眼竜政宗』、『武田信玄』、『太平記』等は夢中で見た。『草燃える』は久々の石坂浩二さん、『独眼竜』渡辺謙さんからは、後に拙著を読んだ感想をいただいたりしたので印象が強く、『太平記』の真田広之さんはお終いのほうで演技が抜群に光った。
 こうして、明らかに時代物贔屓な僕も、しかし、決して見ないものがある。天下分け目の関が原。誰に感情移入しているのかは知らないが、とにかく「関が原」は耐えられない。ひょっとして、過去世の一つで、西軍の兵卒として討ち死にでもしているのか……。


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