3年前の夏、ヨーロッパ・アフリカの旅に出る前に、
私にはどうしても書いておきたいことが一つあった。
それは、当時民主党によって示されていたバラ色のマニフェストは、
決して実現することはないという事実だった。
友人のなかには、
「それでも、とにかく一度やらせてみたい」などと言う者が何人もいて、
それはそれなりに理解もできたが、
そうした結果支払うことになるであろう代償は、
我々国民の一人ひとりが負担することになるんだよ。
それは今、誰も想像できないくらい高くつくかもしれないよと、
私は必ずつけ加えた。
それらを示す根拠をまじめに文章にまとめ、
出発の前に順次掲載していく予定であったが、
しかしさすがに内容が政治的に過ぎるし、
だからといって自民党がいいと言っていると誤解されてもいけないと思ったので、
私はこれを見送り、そのままアフリカに発つことにした。
この判断は間違ってなかったのかもしれないが、しかし実際には……
その後3年間、私はそのことを悔やみ続けた。
結果が変わったりはもちろんしないわけであるが、
一国民のささやかな義務を、果たさなかったような気がしたのである。
このブログのなかで、
努めて触れないようにしてきたもう一つの話題は家族のことだが、
しかしここは、読者の皆さんのお目を汚すことを覚悟の上で、
私の家族、特に父のことについて少しだけ触れてみたい。