インドの旅 番外編 3


すべての山小屋には、また、ネコが出没した。
インドの猫なので、当然、痩せているのであるが、
そのうちの一匹は、なにをどう見ても、
直近の過去世までネコだったというスタッフのMに似ているのである。
そこでこれをMと名づけ、ときどきエサをやるようになると、
そのうちにM!と呼んだだけで彼女(?)はこちらに駆け寄ってくるようになった。
さらには、なぜかインド人のような体つきをしているスタッフのHに似たネコが現れ、
顔だちにやや異国情緒漂うKまで登場した。
こうして徐々に仲間たちは増えていったものの、
小屋を移るときには、当然別れがあり、それなりにつらい思いもした。
特にスタッフの……いや、ネコのMと別れるときなどは……


来世では必ず人間になれなどと言い、
当面のエサを前渡ししてやると、
スタッフの……いや、ネコのMもまた、今生の別れと悟ったのか、
心なしか哀しげな表情で鳴いて応えてくれたのだった。


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