世の中には、深いご縁を感じさせる人がときどきいるものだが、
この男との出会いも忘れることができない。
K1闘士として闘い、二度の網膜剥離に苦しみ、
ときには一周りも二周りも体格の大きな相手を粉砕し、
闘い続けてきた大山峻護君。
この度、ロードFCミドル級トーナメントで優勝し、
ロードFC初代ミドル級チャンピオンのベルトを巻いて帰国した。
瞑想をお教えしてから、もう長く彼の闘いを見続けている。
それはときには病気との闘いであり、怪我との闘いであり、
ときには俳優としての仕事にも誘われながら、
しかしブレることなく格闘技の道をきわめてきた。
それは、なにより自分との闘いであったろう。
その意味で、今回のベルトは、体力や技術の勝利でもあるだろうが、
それよりもむしろ……
彼の人格の勝利ではないかと私は思う。今回も、
『いつも変わらぬ距離で応援してくれる皆さんのお陰です』
『これからも真っ直ぐに頑張ります』
というのが、第一報であった。
ダルマを探求し、努力を続ける人には、運命の女神が微笑む。
その人が瞑想を続けていれば、
なおさら、そうなる確率は高まるだろうし、
道はスムーズで楽しく、充実したものとなるだろう。
そんな勇気を与えてくれる新チャンピオンのベルトに、
祝杯をあげたい。
2012年 2月5日 韓国にて