かつてサイババはこう語った。
『人生で、最初に出あう師は母である。
次にひとは、父に会う。
そうしてひとは、師に出あう』
師は弟子を導くが、どこを導くのかと問われ、サイババは答えた。
物質世界という名の迷宮を導くのだと。
ひとにはもちろん、さまざまなレベルの師がいるが、
究極の師は、ひとを精神性に導く師であろう。
私には中学一年のとき、そうした人が現れた。
彼は私に、最初にヨーガや瞑想を教えた人だったが、その関係性はそう長く続かなかった。
カトリックの修道士でもあった彼は、修院長の命により、
生徒に個人的にヨーガを教えることを諦めざるを得なかったのである。
最後に、私のために祈ると言ってくれた彼は、本当に祈ってくれたに違いない。
後にサイババに出あったとき、そのことをサイババが教えてくれた。
そして、それらの出来事を記した拙著『理性のゆらぎ』が世に出るひと月ほど前に、
彼は修道院のなかで、ひっそりと息をひきとっていたのだった。
サティア・サイババが今年逝去されたことは、
多くの人にとって驚きであったに違いない。
サイババが亡くなる前、聖者カードゥヴェリは、その予言のなかで、
サイババの魂がすでに世界のさまざまな場所を訪れ、祝福を与えていることや、
非常に近い将来、肉体の衣を脱ぐことを述べていたが、
同時に、次のようにも記していた。
『(そのような未来がわたしには見えるが)
シヴァ神の御心はわたしの理解を超えているので……』
シヴァ神の御心は、未来を見通す聖者の理解すらも超えているとしても……
では一体、何がこの後に続くのか……。
サイババは肉体の衣を一旦脱ぐが、そしてどうなさるというのか。
予言の葉のなかでは隠されていたこの後に続く部分を、
私は知りたいと思うし、感じとりたいと願ってきた。
そうしてそのためにも、近い将来、
サイババの眠る地に墓参したいと思っている。
ちなみに、インドでは毎週木曜日をグル(師)の日として敬うが、
年間最大のグルの日は、グル・プールニマという。
今年は今日、7月15日がその日に当たっている。
【事務局より】
本文中に触れられている第22回『大いなる生命と心のたび』は、現在、
2012年2月11日出発、2月18日帰国を予定しています。
旅行では、サイババの眠るアシュラムに詣で、宿泊した後、
日本人が通常、行くことができないインド最大の聖地の一つティルパティ、
『神々の科学』のなかで、聖者が物質化したシヴァ・リンガムを
最初に捧げに行くようシヴァ神に指示された、シュリ・カーラハスティ、
結婚の神・ムルガの6大聖地の一つティルタニ、
シャンカラーチャーリヤの座カンチープラム、
そして歴史の都マハーバリプラムを訪ねる予定です。
詳細が決まり次第、メールマガジン、およびホームページにてご案内いたします。