巡礼(番外編)

聖母マリアがパリにご出現になったのは、
19世紀の初め、フランスが政情不安に苦しむ時期であった。
いまだ見習い修道女にすぎなかったカトリーヌ・ラブレーは、
ある夜、眠りについた後、「シスター、シスター……」という声に目を覚ます。
見ればそこに、光り輝く白い少年(天使)が立っていた。
天使がカトリーヌを導くと、行く先々の扉が開き、
照明がこうこうと灯っていったという。
そうして、聖堂で待っていると、
衣擦れの音がして、聖母が階段を降りてこられた。
聖母は、カトリーヌにこれから祖国に起きてくることを話し、
パリ大司教の苦難を語ろうとしたときには涙を流された。
そして、この苦しみの時代に、
自らの姿をかたどったメダイ(メダル)を造り、
世界中に広めるようにと言われたのだった。
メダイは次々と奇跡を生み、
最初の8年間で1000万個を売り尽くしたといわれる。
パリ大司教も、ローマ法王もこれを欲しがられ、
今では世界中のカトリック教徒でこれを知らない者はいない。
その実物を、この修道会で驚くほど安く購入することができるが、
しかしもし……

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巡礼22

最終日を皆さんに楽しんでいただくため、決死の覚悟で構想を練った結果、
方向音痴の私が、
希望される皆さんをなんとかして愛徳姉妹会へお連れすることになった。
聖女カトリーヌ・ラブレーの腐敗しなかったご遺体は、そこにある。
もともと、前回の行程で、何人かの方は、
愛徳姉妹会に行けないのですかと問い合わせておられたという。
もしかしたら旅行が延期になった時点で、
その皆さんは、なんとか愛徳姉妹会に行けるようにと祈られたのか……。
当然、無数の奇跡を起こしてきたメダイを購入する時間もとりたいと思っている。
愛徳姉妹会のすぐ近くには、
かつて日本で迫害の歴史に耐えたパリ・ミッション会の残した展示物や、
ラザリスト会の聖ヴァンサン・ド・ポールのご遺体もある。
こちらを訪れる人はほとんどいないが、
実に、聖ヴァンサン・ド・ポールがいなければ……

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巡礼21

今回、巡礼の旅が延期され、
楽しみにしておられた皆さま、
さまざまに準備してこられていた皆さまには大変なご迷惑をおかけしてしまったが、
なんとか再設定の旅が決まった。
最後、パリに戻ってきたころは、
クリスマスのイルミネーションの美しい季節だ。
そこで、セーヌ河の遊覧船に乗って、
パリの夜景をご一緒に楽しみたいと思っている。
暖かいバスのなかから、きりりとした冷気の川面に出ると、
たぶん気持ちがいい。
また、翌日は新たにパリの休日が付け加わったことになるが……

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婚姻3

私自身はイエスを神と一致した人格であろうと思っているし、
聖書のなかに語られるイエスの言葉は、
物質的な奇跡以上に奇跡的であるとも思う。
ところが、それらのイエスの言葉のなかにも、
文化や伝統などの違いにより、
やや注意しながら読んだほうがよいものがなくはない。
福音書のなかで、結婚についてイエスが言っていることの一つを疑問に思い、
その真意が知りたくて私が質問をした相手は、
カトリックの神父でもプロテスタントの牧師でもなく……

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婚姻2

聖書のなかには、イエスが婚姻について語ったとされる文言が、
いくつも見られる。
2000年前に中東の一角で、一人の青年が結婚についてどう言おうが、
その神聖さをどのように説こうが、説くまいが、
本来われわれには関係ないはずであった。
が、現実はそうならなかった。
当初、迫害に次ぐ迫害に苦しんでいたキリスト教は、
300年もの間、これに耐えていたが、
ついにその真実の力により、
ヨーロッパ世界にあまねく広まっていくこととなった。
そうであったとしても、
仮にインドや中国が、その神秘の力によって世界を征服していれば……

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婚姻1

法律的には婚姻と呼ばれる結婚は、
われわれが行なう契約、または築く人間関係のなかでも、
きわめて特異なものと言わざるをえない。
なにしろ、血のつながりのない赤の他人同士が一つ屋根の下に住み、
生計を共にし、子孫を残し、
互いに相手を看取るべく、その関係を続けようというのである。
場合によってはもともとの親子や兄弟の縁を切ってまで、
その関係を成立させんと、人は走ることもある。
こうして初めて、人類は孫子の代まで続くことになるのであろうが、
考えれば考えるほど、不思議な制度だ。
この制度は、民族により、風土、習俗、伝統により、
さまざまなヴァリエーションがあり得る。
今、木曜日に解説している【バガヴァッド・ギーター】の場合は……

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巡礼20

ところで、「口内炎友の会」はいいが、
自分の口内炎はどうなったのかというメールもいくつかいただきましたので、
ここにご報告いたしますと、
これがお蔭さまで、普段よりもかなり速やかに治癒したのであります。
ところが、教えていただいた方法をいろいろと試してみたので、
それぞれに効いたのだと思われますが、
どれが一番効いたのかが分からない。
やはり一番効いたのは……

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巡礼19

口内炎のことをブログに書いたところ、
何人もの方から慰めの言葉とともに、
対処法についてアドバイスをいただきました。
「口内炎友の会」全国会関東地区代表世話人として、
口内炎に悩む全国の友たちのため、
皆さまから寄せられた対処法を以下にまとめてみました。

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巡礼18

昨日少し触れたアーユルヴェーダの熱さましは、
インドの大手製薬会社が造っているものである。
製法は聖典に基づいているが、しかし、
製薬会社独自のなにかの工夫をしているはずだ。
私には、これがよく効く。
そして差し上げた方のなかにも、
これが効いたという人がいる。
が、効かなかったという人もいる。
特徴としては、
1)極度に苦い
2)熱や炎症に効くことがある
3)場合によって、お腹がすいたり、下痢をすることがあるが、
  それは、体内の浄化された感覚を伴う
これについては通常、食前、または食間に……

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巡礼17

広島のソクラテスことイスカーナ・ヤマトさんが、
微熱に苦しんでおられると聞いた。
一般に、繊細な神経の持ち主で、物事を深く考える傾向にある人が、
しばしば微熱に苦しむようであるが、
そういう人はまた、考えすぎだとか、気のせいだとか、
いろいろ言われるものでもある。
現にある肉体上の苦しみを、
要するにオマエの気の持ちようのせいだと言うとき、
われわれはちょっとした心理学者になったようないい気分に浸り、
なおかつ自ら健康であることの優越感を密かに楽しんだりできるわけだが、
しかし想像以上に相手を傷つけている可能性があることを、
いつも心しておかねばならない。
ところで、私の手元には……

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