前回のブログを書いてはや一年……。
これほど長きにわたってメルマガやプレマレター(紙媒体)のエッセイしか書かなかったのに、
それでもブログをお待ちしていますと言ってくださる方のメールが今朝も届いていて、
朝から感動してしまった。
私自身が物理的に時間が足りないと考えられたので、
その間、月二回行なっていた<プレマ・セミナー>を一回に減らしたところ、
それについては大変有り難い効果を享受することとなったわけだが、
だからその時間を本の執筆や医学の研究にそのまま向けられるようにはなろうはずもなく、
小さな人生の大きな荒波に相変わらず翻弄されている。
こんなことで一回の人生としてまとまった仕事が残せるのかと、ついつい不安にもなる。
最近、たまたま会員の方が、かつて私が客員講師をしていた大学病院に入院され、
お見舞いにいったついでに医局を訪ねてみた。
相も変わらず殺風景な医局の、構成人員はほぼ全員入れ替わっていて、
新人医師の(卵の)面接をしていた医局長も、新人も(当然)あまりに若く、
そういえばあの頃も、同じように漠然とした不安をもっていたことを思い出した。
当時、二つ目の博士号を得ていたものの、まるでそれに反比例でもするかのように、
「存在」についても「現象」についても、そのなんたるかを知る由もなく、
ただ人生に対する漠とした風景だけを見て生きていた。
その後、インドに渡り、処女作『理性のゆらぎ』を書いてはみたものの、
しかしその原稿を読んでくれた皆さんの反応は冷やかなことこの上なく、
不安はますます募っていったのであった。
それでもなんとかここまで歩を進めてこられたのは……
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