バガヴァッド・ギーター

4年にわたって解説してきた【バガヴァッド・ギーター】は、
木曜日から日曜日への移動に伴い、しばらく本編の解説をしていなかったが、
今回は久々の本格的詩節の登場となる。
【バガヴァッド・ギーター】第一章では相対界に生きる生命の苦しみが、
第二章ではそれに対するクリシュナ神の答えが語られるが、
第三章は、さらにそれに対するアルジュナの疑問に神が答える。
そうして気づいてみれば、
「絶対」から「相対」が生まれてくる神秘のメカニズムに、
クリシュナ神が言及する重要な詩節が登場する。
そこでは、われわれの行動と真我の精妙な関係について、
そして個別生命が生きる術について、語られる。
ごく日常の言葉で語られているので、
私もそれを、初めての方がよく理解できるほど分かりやすく解説したい。
15日(土)には、他にも大事なことがある。
<プレマ・セミナー>の直前、特別な儀式が捧げられ……

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マリアとアンナ

アイスランドの火山の噴火によってローマに足止めとなり、
帰国してすぐにしたいと思っていたのは、まず、
前回インドの『大いなる生命と心のたび』旅日記の完成であるが、
事態は、それがまったく不可能な状況で推移している。
ところで、聖マリアと聖アンナは、イエスを産んだ母と、そのまた母親、
すなわちイエスの祖母のことである。
が、しかし聖書のなかで、その記述はあまりに少ない。
聖母マリアについては本文のなかで少しだけ記述されているが、
聖アンナについてはまったく触れられていない。
わずかに外典である『ヤコブによる福音書』のなかにその名前が残るだけだ。
イエスが救い主であれば、彼女らは、
人類史上もっとも大きな使命を背負った二人の女性といっても差し支えない。
そして、正典における記述が少なければ少ないほど、
彼女らについても知りたいというわれわれの願いは高まってくる。
聖母マリアはいかにして聖母となったのか、
どのようにして選ばれ、教育されたのか、
実際はどのような風貌の持ち主であったのか、
また、「無原罪の聖母」を産んだ聖アンナは、
いかにしてこれを産むに至ったのか……。
歴史上、聖者と呼ばれる人びとや、預言者、幻視者と呼ばれるような人びとは、
これについてさまざまなことを教えてくれている。
実は、神に肉体をまとわせることとなったこれらの秘密を知ることが……

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家系

いつ帰国できるのか……。
まったく分からず苦しむ状態が何日も続いた。
この日もほぼ不可能……とまずカウンターで言われた21日に、
一時間、二時間と空港で粘り、奇跡的に全員、帰国できる日を迎えた。
詳細は、旅日記本編で語るとして、
しかしその前に昨年12月のインド旅行の旅日記を完結させなければならない。
しかしその前に第61期瞑想講座があり、
そしてこの木曜日は、昼間四谷のエイトスター・ダイヤモンドで講演の後、
夜の<木曜くらぶ>は『マタイによる福音書』の解説第一回目となる。
3年余にわたって続けてきた【ヨハネによる福音書】は、
おそらくイエスの弟子のなかでも最も意識の高かったヨハネによるものだ。
それだけに、【ヨハネ】は出だしからしてこの上なく崇高な文言に満ち満ちていたが、
一方、マタイは、
きわめて実際的なイエス伝を残してくれた。
一般のわれわれが読んで分かりやすく、
面白いのは、おそらくこの『マタイ』のほうだ。    
その冒頭は、ユダヤの父祖からイエスに至る系図に始まる。
自然界が人類に真理を伝える際、
「家系」は重要な手段の一つとして用いられた。
すなわち、生理的なDNAは、単なる物質ではなく、
そのなかで意識のレベルの何かを同時に伝える。
そうでなければ、家系というものが、
人類社会においてこれほど尊重されることはなかったに違いない。
『マタイ』冒頭には……

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手紙

あっという間に旅行が近づいてきた。
これまでにも増して巡礼の内容が重厚であるが、
仕事が遅い私は、まだ解説の準備ができていない。
しかし、日本に残られ、日常の活動に勤しまれる皆さんが、
もし手紙を出したいと思われたら、
今回もお持ちしたいと思っている。
手紙を出す先は、
聖フランシスコの祈りと功徳により、ローマ法王庁から特別に全免償の特権を得た
天使の聖母教会(サンタ・マリア・デリ・アンジェリ)か、
または今も奇跡が続くローマの『絶えざる御助けの聖マリア』(聖アルフォンソ教会)
を考えている。
(これらの教会について今、ここで解説を書きたい気持ちにかられるが、
 それができない……)
宛て先は……

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【バガヴァッド・ギーター】

「昨日…河原で100万円拾いました。
 交番が帰り道にあるんだけど…
 誰もいなかったので…
 まだ届けてません。
 どうしよう!
 やっぱりとどけるべきでしょうね…。(ρ_-)o…」
こんなメールが来たので、しばらく真面目に考えていたが、
しかし思いなおして、
「届けなくていいです。
 それでイタリアに行きましょう」
と返信した。
たわいもない、4月1日のやりとりである。
おかげさまでクサンチッペシリーズは大変“好評”で、
さまざまに有益なコメントをいただいたが、
私のほうにきた個人的なお便りの多くもまた、興味深いものだった。
あれだけ結婚生活の困難を説いておきながら大変恐縮ではあるが、
私自身は、ついに再婚することとなった。
『ひとは、判断力の欠如により結婚し、
 忍耐力の欠如により離婚し、
 そして記憶力の欠如により再婚する……』
このような金言名句を広く紹介しておきながら、
まことに面目ない。
もちろん、以上もエイプリルフールなので、
このブログは本日中にアップしなければ……。
一方、この4月4日から、
日曜日の<プレマ・セミナー>で【バガヴァッド・ギーター】の解説をするというのは、
本当の話だ。
今日まで、多くの皆さんからそのご希望をいただいてきたことは事実だが、
緑が丘にはSKYPEの施設がなく、広島への“中継”ができなくなることから、
ずっと思い止まってきた。
広島<木曜くらぶ>の皆さんとはしばしのお別れとなるが、
長い間お世話になった感謝の気持ちは、ここに表現することができない。
【バガヴァッド・ギーター】は、現在第3章が始まっている。
解説はその続きからとなるが、3年半ぶりの日曜日となる4月4日は……

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クサンチッペ6

『洋の東西を問わず、聖者のほとんどが独身を貫いたのは、
 さすがの聖者にも、結婚生活の矛盾は耐えられないから』--
Pure Landさんの画期的新解釈に基づき、
一遍の小説も書きたい気分になりました。
ほとんど知られていないことですが、実は、
聖者アガスティアも結婚していたという事実があります。
アガスティアにはたくさんの弟子がいて、
人類に医学を残した聖者ボーガルや、
『あるヨギの自叙伝』に登場してくるババジもそうです。
聖者たちの師、聖者のなかの聖者ともいわれるアガスティアがなぜ結婚を……、
と思われるかもしれませんが、その際にはやはり、
筆舌に尽くしがたいご苦労をされたようです。
聖女様がどこかの男性と結婚されても、
やはり同じことが起きたことでしょう。いずれにしても、
あのアガスティア様でも……
天界における衝撃は計り知れず、
以後、歴代の聖者様方、聖女様方は、みな結婚を避けるようになった、
……というのは、私の勝手な想像です。
そうしたくだりを実は『神々の科学』に書いていたのですが、
結局、ボツになりました。
クサンチッペシリーズがこれほど関心をもたれるのなら、
残しておけばよかった……。
冗談はさておき、Blessed Truthさん、
長い人生経験に裏打ちされたお父さまのお言葉、
ありがとうございます。
もちろん、そのなかには、
愛する娘をいずれ手放さねばならないのであれば、
せめてその価値のある男に……、という父親としての気持ちも垣間見え、
心打たれます。
一方、それでもお父さまは幸せ者、という声も聞かれました。
その人が言うには……

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クサンチッペ5

「時々、妻には高価な贈り物が届くのだが、
 私にはその送り主を明かしてはもらえない。
 誰からと尋ねてもにんまり笑ってかわされるだけ。
 しつこく尋ねるのも気がひけるので深く追及することもないのだが、
 もし反対の立場であれば、決してこうはいくまい……」
 
いいですねぇ!
実にいい!
「結婚」というものの真実をこれほど如実に表現した文章が、
他にあったでしょうか!(**;)\★彡
しかしそれにしても、
時々届くという高価な贈り物、
送り主の方は同一人物なのでしょうね。
彼(彼女ではないのでしょう?)は当然、
自らの素性が分からぬように発送しておられるという次第。
「高価」というわけですので、
奥さまは、中身をそれとなく(かどうかは知りませんが)
夫に分かるようになさっているわけですね。
そこにまた、妻の微妙な心理が垣間見えるようで、
実にいい!
もちろん、女性の皆さんは女性の皆さんで、
同じような文章を、この1000倍も書けるわと、
思っておられることでしょうが……。
(私もだんだん、マサコサマのおっしゃる、
 入れ食い状態の魚の側になってきました(^o^;)
つまり、
「夫婦生活を続ける上でもっとも受け容れねばならぬこと。
 それは理不尽と矛盾……」
とSHOさん。
相対界が相対界である以上、
互いに矛盾する二つの原理によって運行しているわけで、
これは避けがたいことですね。
こうしてわれわれは苦しみ、進化していくわけですが、
しかし、苦しむこと以外に、これらを超克していく方法がないわけではありません。
神々に祈りを捧げることや、儀式を捧げること、
苦しんでいる他の生命を助けること、
日々、淡々と自らの義務(仕事)を行なうことなど、すべてがそうですが、
その究極は……

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クサンチッペ4

通商貿易における非関税障壁、物理学や化学におけるポテンシャル障壁等、
世の中にさまざまな障壁があるものの、
SHOさんの抱える男女(夫婦)間障壁こそ、人生最大の障壁かもしれません。
たしかに、瞑想を教え、教えられるという関係は、
表面的には窺い知れない、きわめて深い絆でありますが、
しかし一週間、次々と聖地を巡礼し、
聖者や聖女、神々に触れ、
または聖者や神々の残された予言を読むということはまた、
さらに深いご縁や絆を感じさせられるものです。
たぶん、それは、経験した人でなければ分からないでしょう。
相対世界に生きる凡夫としては、したがって、
旅行の最終日、皆さんとお別れするのに毎度のように泣けてきます。
初めてお目にかかったときにはまだ高校生だった女の子、
たまにお母さまとご一緒に巡礼の旅などに参加され、
遠く離れて暮らしていても妹みたいに思っていたところ、
いつの間にか結婚して、先日は可愛い赤ちゃんを連れてお見えになりました。
こんなときにも、泣けてくるものです。
その意味合いは別として……。
「結婚式の日に泣かなかった」イスカーナさん、
まずかったですねぇ。
私は、結婚式の日にポロポロ泣きました。
兄の結婚式でしたが。
その兄が、3カ月もたずに別れたときには、
あの涙を返してくれ! と思ったものです。
                       
バーナード・SHOさんも、まだよくは分かっていないようですね。
正しくはもちろん……

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クサンチッペ3

イスカーナさんの奥さまが「ちあき」さんであることは、
以前より承知していた。
イスカーナさんに教えられたのではない。
聖者の書いた予言の葉を検索していて、出てきたのである。
もちろん、このちあきさんにはお目にかかったこともお声を聞いたこともないが、
人はまことに勝手なもので、
私にとって「ちあき」さんは、ある一定のイメージしか呼び起こさない。
清楚で爽やか、スキッと仕事ができて、なお優しい……
「千秋」という字も、なんて美しい……と思ったものだ。
それに比べれば、
「ジュスティーヌ」や「ディアーヌ」のほうがむしろ野暮ったくすら感じられる。
もしかしたら、「ちあき」さんは、実際に私のイメージどおりの人で、
イスカーナさんは日々、その幸せを噛みしめていながら、
サイト上で戯れておられるだけではないのかとすら想像してしまう。
マサコサマが言われるように、
「悪女」や「悪妻」という言葉があるのに対し、
「悪男」や「悪夫」という言葉がないのは、もちろん、
男や夫はみな悪いからに違いない。
ところが、<プレマ倶楽部>の男性たちを見るにつけ、
よくぞここまで善男善夫だけが集まられたと感嘆するほかはない。
ただし、その善男善夫たちも、倶楽部内の数の上ではまったく劣勢で、
今回の旅行も、おかげさまでいつの間にか史上最少催行人数を超えてきたものの、
男性の参加者は……

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クサンチッペ2

「あるとき、羽田から北海道に向かう便に、
 一人の男性が、可愛いげな赤ちゃんを抱いて搭乗してこられました。
 でもその人は、フライトの間中、泣き続けていました。
『どうされましたか?』と、つい声をかけてみると、男性は答えました。
『これからこの子を、この子の母親の実家に連れて行くのです。
 そうして二度と、私はこの子には会えないのです……』
 この話を聞いて、私もキャビンで泣きました」
久々に登場のマサコサマの投稿をみて思い出した、
JALのスチュワーデスさんから聞いた実話である。
彼女の長いキャリアのなかで、
もっとも記憶と印象に残ったシーンだったという。
どんな家庭にもさまざま、他人にはうかがい知れない事情があるものだ。
ここでは善良そうな男性が泣いているが、
逆に悪夫に泣かされ、今も泣き続けている善良な女性は、
はるかに数多いかもしれない。
そもそも、クサンチッペは、
われわれが想像しているような悪妻ではなかった、という説も当然にある。
誰も、クサンチッペ本人に親しく接したわけではないし、
哲人ソクラテスにしても人間なので、
ものごとをそれなりに自分の視点から見、語ったであろう。
ソクラテスのような天才なら、当然に
常識では推し量り難い行為を多々行なったであろうし、
それは普通の女性には耐えがたいものだったかもしれないと容易に想像できる。
それに……

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