人生」カテゴリーアーカイブ

大木神父3

 修道院には静かな生活があった。おそらく、神父のネパールでの生活とは大違いであろう。  食事時、話が今後の予定のことになった。神父は、できるだけ早くネパールに戻りたいと言う。もう、そんなに自分は長く生きない。その自分の体 … 続きを読む

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大木神父2

 倉光先生の思わぬ事態に、神父が言った。 「それは、私をかいかぶり過ぎています……」  ところが、神父自身も涙でそれ以上のことが言えない。  私は、かつて倫理の授業で、神父が次のように言ったことを思い出していた。 「教育 … 続きを読む

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大木神父 1

 次の小説の舞台となる広島に取材で行った。ちょうど、ネパールに行っていた大木神父が目の治療のため帰国していたので、ポカラの会の倉光先生と一緒に修道院に泊めていただいた。  広島には、イエズス会の修練院がある。司祭になるた … 続きを読む

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集合的意識

 日曜の朝、新聞を見て驚いた。「小泉新総裁誕生へ」という大見出しが、一面トップを飾っているではないか。前の日のエッセーで、「結果は予断を許さない」と書いたばかりだった。  結局、堕落し尽くした自民党にはもう我慢できないと … 続きを読む

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国の将来を決めるもの

 自民党総裁選も大詰めを迎え、連日マスコミを賑わしている。一政党のこととはいえ、実質的に総理大臣が決まるのだから、それも当然である。  話題の中心は、やはり小泉氏だ。郵政三事業の民営化を始め、言うことが分かりやすいので人 … 続きを読む

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4月の雪

 十何年か前、4月に入って東京に雪が降ったことがあった。当時私は大学院の博士課程にいて、裏手はグラウンドだった。夜、研究室の窓からは、照明に照らされた一面の桜が見えた。そしてそこに、雪が積もった。  桜は、色も形も、香り … 続きを読む

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恐怖新聞

 夕方6時、一日の仕事が終わって人びとが安らぎの時間を見いだそうとする頃、事件は起きた。  インターホンに答えると、「Y新聞でーす。粗品をお持ちしましたー」。女性の声にドアを開けてみて驚いた。目の前に、大男が立っている。 … 続きを読む

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地震

 24日の夜、実家から電話があった。突然、 「大丈夫、無事だから心配しないで」と言う。  私には、何のことやら意味が分からなかった。ずっと外にいて、西日本大地震のことをまったく知らなかったのだ。私が心配しているだろうと心 … 続きを読む

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白い影 2

 前回のエッセーについて早速楽しいお便りが届いていますので、三つほどご紹介します。 〇「直江の死の報せに一旦泣き崩れた倫子は、立ち直るのがちょっと早過ぎなかったか?(直江の子を宿していたことが、それを正当化しているようだ … 続きを読む

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白い影 1

 ドラマ『白い影』最終回を、二日遅れで見た。  私はあまりドラマを見ない。これも途中をすっかり抜かした。が、最終回の出来ばえを見てみようと、とにかくビデオに撮っておいた。  不治の病(多発性骨髄腫)に苦しむ医師・直江(中 … 続きを読む

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