投稿者「mariaoyama」のアーカイブ

私の系譜 15

父の闘病から死、そして葬儀に至る一連の出来事を思うとき、 その様子は、よくも悪しくもあまりに“人間的な”出来事にあふれていて、 まとまった時間があれば一冊の小説にしたいくらいである。 それらをいま、短いブログに書くことは … 続きを読む

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私の系譜 14

もしあのとき○○していたら、と人は人生をふり返る。 もしあのとき神戸を受験していたら、果して合格していたのだろうか。 若気の至りか、正直、落ちたような気がしない。 その場合、私は意気揚々と、神戸で新たな中学生活を始めてい … 続きを読む

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私の系譜 13

そのようにして私が進学しようと思っていたのは、ある神戸の中学校だった。 が、一年が経っていよいよ受験となったとき、大きな問題が降って湧いた。 神戸の受験日と、地元の付属中学の抽選日が重なったのである。 抽選など、代理を立 … 続きを読む

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私の系譜 12

小学校5年まで、ほとんど何も考えることなく友だちと遊び惚けていた私が、 6年生になって自分に課したこと、 それは、毎日12時より前には寝ないということだった。 それまで、夜8時には眠りに就くように躾けられていた私の、 こ … 続きを読む

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私の系譜 11

父はもともと、生来の世話好きであったのだと思うが、 自分で何かを楽しむという概念に乏しく、 これもよくあるように、いくつもの仕事や世話役を掛け持ちしていたので、 私の知る限り「休日」という概念もなかった。 子供の頃、正月 … 続きを読む

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私の系譜 10

父は税務署を退職後、税理士として独立したが、 その際、副業として不動産業も始めている。 法律によると、不動産仲介を行なったとき、 その売買手数料は約定価額×3%+6万円、 賃貸の場合は、一カ月分の家賃とされている。 とこ … 続きを読む

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私の系譜 9

もし、実家に経済的余裕があれば、父はおそらく今でいう大学に進み、 早期の徴兵も免れるか、 またはあれほど過酷な前線に行かずに済んだのかもしれない。 会員の皆さんと話していて、なにかの拍子に、 ご両親が大学を出ておられると … 続きを読む

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私の系譜 8

葬儀の三日間を終え、ふたたび始発で東京に帰ってくると、 自分では気づかなくても疲労困憊していたらしく、 すっかり風邪をひいてしまった。 それでも、時間は待ってくれないので即、仕事を始めたが、 一つだけ以前と変わったことが … 続きを読む

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私の系譜 7

このブログに書いた父・金彌は、今朝方闘病を終え、 息を引き取った。 95年の年月は、波瀾万丈であっただろうが、 その多くを私が知ることなく終わってしまったことも、 充分な親孝行ができなかったことも、正直、悔やまれる。 し … 続きを読む

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私の系譜 6

負傷して内地に戻った父は、海軍兵学校の教官になったが、 それを知ったのは、ある年の終戦記念日、 日の丸に書かれた寄せ書きを偶然、見つけたときだ。 それは当時の学生、つまり、父よりもっと若かった海軍の兵卒たちが、 特攻に出 … 続きを読む

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