南インドを代表するバジャン歌手ヴェーラマニ・ダサンは、
聖者アガスティアに対しても敬虔な帰依心を持つことで知られている。
彼が自分のダルマを知ったのは、
聖者がヤシの葉に残された言葉がきっかけだったという話がある。
今年の年末、12月15日、彼とその弟子たちは、
同じく聖者アガスティアを知り、
これを慕ってインドにやってくる日本人たちの前で歌うことが決まっている。
現地で準備に当たってくれているインド人の一人は、
この機会を、決して逃してはいけないと私に警告した。
この日、壮大なイェーハ・ダシャ・ルドラ・ヤーハムを完結した後……
私たちはこの類稀な歌い手の歌に身をまかせる。そのとき、
われわれの意識はどのように覚醒に近づくのか。
果して私は、ホテルに帰って眠ろうという気になるのだろうか。
この夜を今から楽しみにすると同時に、
いささか心配もしているのである。