私がアフリカでお世話になっている日本人修道女の一人は、
かつて反乱軍に捉えられ、密林で数カ月を捕虜として生き延びた。
また、別のときには軍が修道院を荒らしにきて、
女性としてこれ以上ないほどの危険と恐怖にさらされたこともある。
実際、そうして望まぬ妊娠をした修道女も現実にいる。
日本であれ、ヨーロッパであれ、
自国にいればおそらく安楽な暮らしを一生送れたであろうに、
彼女らは生涯をこのようにして過ごす。
これから、アフリカに学校を建てることになる。
そのためのさまざまな努力を、過去2年間に行なってきた。
こうして毎年アフリカを訪れることは、楽ではない。
苦しい目や、悲惨な目にもあう。
お金のやり繰りはもっと大変だ。
そのためにジョージ・フォアマンは、
誰もが無謀と考えたカムバックを果たし、実際に世界王座についた。
まさに“奇跡”だ。
もしそれが摂理の一部で、
「学校」が実現したときには……
文盲や、病気のまま文化から取り残され、
一生を終えるはずだった子どものなかから、
第二、第三のベンダ・ビリリが生まれるかもしれない。
第三、第四の奇跡が生まれるかもしれない。
ベンダ・ビリリのように有名にならなくても、
健康で、幸せな家庭をなしてくれればそれでいい。